断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
「ご安心を、流石に殺したりはしておりませんからな」

 あっはっは、と大口を開け楽しそうに笑う宰相の様子にぞわりと鳥肌が立った。

「あぁ、可哀想なビクトリア嬢。無理やりドレスを破かれ襲われた恐怖で体が震えて動かないようだね」
「は?」

 嘆くように一瞬顔を覆った宰相は、まるで次の演劇が始まったかのようにわざとらしく両腕を広げ、ゆっくりと私のいるベッドへと足を進める。

「私はドレスを破かれてなどおりませんが……」

“体が動かないのは薬の影響だし”

 一体何を言っているのか理解できずただひたすら戸惑っていると、あっという間にベッドの側にまで来た宰相がくすりと笑みを溢し、いまだに自由の利かない私の耳元へと顔を近付け囁いた。


「――いえ、貴女はニコラウス殿下に無理やり犯されそうになったのです。ほら、ドレスだってこのように破かれて」
「きゃあっ!?」

 そして私のドレスの胸元を掴み、無理やり引き裂かれる。

「そこへ偶然通りかかった私が異変を察し、襲われている貴女に気が付いた」
「な、なにを……!」
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