断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
 ぎゅ、と大きく目を瞑った瞬間だった。
 ガンッと大きな音がし、私を潰すように宰相が倒れ込んで。

「い、いやぁぁあ!!」

 慌てて覆い被さった体を全力で横に投げ捨てるように腕を動かすと、宰相の体がベッドから落ちてニコラウス殿下の上へと落下した。

「ぐえっ」
「あ、あら? 体が……」
「ビビ、大丈夫か!?」
「えっ、アンドレアス殿下……?」

 どっちの声かはわからない呻き声が一瞬聞こえたが、どうやら起きた訳ではないらしい。

「とりあえずこの部屋を出るぞ」

 いつもどこか余裕そうだったアンドレアス殿下が少し慌てた様子で私をシーツでぐるぐるに巻く。

「え、えっと」
「ビビのドレスは破かれているようだからこれで我慢してくれ」

“それはそうなんだけど……”
 
 呆然としている芋虫状態の私を近くの椅子に一度座らせた殿下は、迷いのない手つきで意識を失っているニコラウス殿下と宰相の服を脱がし仲良くベッドに寝かせた。

「よし、どちらがどれだけの策略を練って実行したかはわからないがこの醜聞で闇に葬られるだろう」
「そ、そうですね……」
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