断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
“そりゃ第二王子と宰相が裸で同衾していたらそうなるわよね”

 この二人が最初繋がっていたのかはわからないが、どっちにしろ私を襲おうとした事実やニコラウス殿下に罪を擦り付けようとしていた事実は変わらない。
 第三者に助けを求められない以上、この二人は牽制し疑い合うしか出来ないだろう。


 しかも、こんな醜聞付きなら尚更だ。

 
「これは媚薬の瓶か? よし、宰相の指に残ってるのをニコの太股に擦り付けておくか」

 思ったよりエグいわね、なんて愕然としていると、小細工を済ませたアンドレアス殿下が芋虫の私をそのままふわりと抱き上げた。

「とりあえず俺の部屋に向かおう」
「えっ」

 この芋虫状態で移動させられることを想像し、さっきまでとは違う絶望が私を襲う。

“公爵令嬢としてのプライドが”

「待っ、あ、あぁあ……」

 だが芋虫にされ自由のない私には選択肢なんてなく、情けない声を漏らしながらアンドレアス殿下の首元に顔を埋めるしか出来なかった。

 ◇◇◇

「誰にもあわなかったな」
「奇跡に感謝するしか出来ません……」
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