断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!

13.選ぶ、答え

 変わり者で研究ばかりの王子。
 誰よりも王位継承順位が高いにも関わらず、露出が少ないせいか本人が拒否しているのか、なかなか立太子されない第一王子。


 ――でも、まるで少年のように興味があることに真っ直ぐで。
 そして実は恥ずかしがりやで可愛い一面もあって。

「こんな冷静な判断が下せないタイミングで決めろと言うのは酷だとは思うが、俺は以前も言ったようにビビを好ましく思っている。最初はその、実体験を聞かせて欲しいとかそういう興味だったが、自分の信念に真っ直ぐでルールを重んじる考えも――いや、それは建前なんだが」

“そして必死になると口数が多くなるのよね”

 月光草の説明をした時も、お祖父様のネックレスの話をした時もそうだった。

 そして今、私の話をする時も。


「俺の話に耳を傾けててくれる、そんな君が好きなんだ」

 じわじわと彼の頬が赤く染まる。
 
「俺を利用する、くらいの気持ちで構わない。だから俺を選んでくれないか」

 その様がやっぱりどうしても可愛く見えて。
 
「はい」

 気付けば端的にそう返事をしていた。

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