断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
「……体が熱いです。触れられた部分も気持ち悪い。だから“アレス様”の手で、助けてください。利用、していいんですよね?」


 そっと両腕を伸ばし彼の首に回すと、そのまま引き寄せるようにしてベッドに倒れ込む。

「ん、んっ」

 私の方から唇を重ねると、その口付けに応えるようにアレス様の舌が口内に差し込まれた。

 くちゅりと舌が絡められると、ゾクリと快感で体が震えて。

“気持ちいい”

 舌を扱くようにくちゅくちゅと音をたてながら何度も角度を変えて口付け交わすと、下腹部に熱が溜まり疼きが強くなる。


「……最初に見るのは、俺が良かった」
「?」

 彼の赤い視線の先を辿ると、体に巻いていたシーツが捲られたことで宰相に脱がされ露になった胸があって。

“嫉妬かしら”

 煩わしいはずのその感情がくすぐったくて、そしてやっぱり可愛く思える。

“重傷ね”
 あんなに恋で盲目になどなりたくなんてなかったのに。

「揉まれもしました」
「なっ!」
「……でも、これはまだ誰にもされてませんよ」
「ッ」

 からかうようにそう口にして、そしてそのまま彼の頭を引き寄せ私の胸元へと埋めさせる。
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