断罪されて死に戻ったけど、私は絶対悪くない!
 顔合わせのお茶会。
 その場にいたのはニコラウス殿下と彼の護衛騎士、そして私と私の父だった。

「年齢を理由に正式な婚約は回避できたけれど」

“同じく年齢を理由に婚約しない理由もない、とされてしまった――”


 まだ私は十歳、殿下は十二歳。
 正式な契約として婚約を結ぶのは足枷になる、と説得したまでは良かったしその考えに納得はして貰えた。

 けれどやはり政治的なものが絡むのか、この話自体が流れた訳ではなくまた時期を改めるという結論に至ったのだ。
 それはつまり、数年後に正式な婚約が結ばれる可能性もある訳で――


「絶ッ対嫌よ! 勝手に浮気して、そして処刑ですって!? そんな横暴な男になんか嫁ぐものですか!」

 公爵令嬢を裁判もせずにその場で処刑するなどという暴走が許されたのは、彼が王太子になったからだろう。

 だが第二王子である彼が王太子になるには公爵家の後ろ盾が必要で、そしてその盾こそ『私』だったはずだ。
 つまり私のお陰で権力を得たくせに、その権力で私を処刑したということになる。

「……それに、私は暗殺なんて画策してないわ」
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