籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「…そんなことない!わたしはちゃんとここへ戻ってこようと――」

「だったら、オレたちにバレなきゃ問題ない。そう考えたわけだ」


わたしの額から冷や汗が流れ落ちた。


寮に戻ろうとしていたのは事実。

だけど、抜け出したことをRULERに気づかれなければいいと思っていたことも、――また事実。


すべて十座に見透かされていた。


「どうやら、お前は自分の立場をわかっていないようだな」


十座は重いため息をつく。

そして、隣にいた幹部の緑髪の男に手で合図を送る。


それを見た緑髪の男は黙ってうなずくと、玉座の間から出ていった。

そのあとに続く20人ほどのメンバーを引き連れて。


「な…、なにを指示したの?」

「あ?単なるゴミ掃除だよ」

「…ゴミ掃除?」

「ああ。RISEなの」
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