籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
十座の言葉に、わたしは目を見開ける。


「どうしてそんなことをっ…。RISEは関係ないじゃない!」

「関係ねぇことねぇよ!」


十座はわたしを怒鳴りつけると、その勢いのままに立ち上がる。


「なぜ、お前は妃候補としてここにいるのか…。それは、RISEを守るためだろう?忘れたか?」


人さし指の腹でわたしの顎をくいっと持ち上げ、反抗的に睨みつけながらも反論できずに黙り込むわたしの表情を愉快そうに見つめる十座。


わたしだって…忘れたわけじゃない。


『逃げ出そうなんて、バカなこと考えるんじゃねぇぞ?そんなことすれば、RISEは再起不能になるまで潰してやるからな』


ここへきたときに、十座にそう脅された。

だからこそ、自由のないこの窮屈な籠の中でもおとなしくしていたというのに。
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