籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「本来なら、勝手に逃げられねぇようにお前の部屋に鍵をかけたっていいんだぞ?」

「…そんなことしたら、わたしは本当に――」

「ああ、一切の自由を奪われることになるな。それはさすがに、このオレさまでも心が痛むからな。そのかわりに、初めの条件どおりRISEに責任を取ってもらうだけだ」


わたしは絶望のあまり、その場に膝から崩れ落ちた。


たしかに、無断で寮を出ていってしまったのはわたし。

だけど、こんな仕打ち…あまりにもひどすぎる。


「話は終わりだ。わかったなら、自分の部屋にでも戻ってろ」

「ちょっと待って…、十座――」

「待ってください、十座さん!」


玉座の間から立ち去ろうとする十座を呼び止めたのは、わたしではなくて…なんと玲だった!


「あ?なんだ、玲」

「責任を取るのであれば、RISEでなく俺です…!妃候補が勝手に外に出たというのであれば、それは世話役である俺の落ち度です」
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