籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「…本命の…妃?」


たしか、それって――。


『十座さまは、本命の妃を選ぶために妃候補を集めている』

『もしその妃に選ばれれば、十座さまと人生をともにする約束を結ばれるというわけだ』


初めてここへきたとき、RULERのメンバーがそう言っていた。


“人生をともにする約束を結ばれる”


つまりそれって――。


「よかったな、美鳥。お前はこのオレさまの妻に選ばれた」


わたしが、――十座の妻?


あまりにも衝撃的すぎて…。

頭がついていけない。


まるで魂が抜けたかのように放心状態のわたしだったけど、突然感じた唇の不快感によってようやく我に返る。

その不快感とは、十座の口づけだ。


「これが、誓いのキスだ」


ようやく顔を離し、舌なめずりをする十座にわたしは身震いした。
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