籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
玲…!?


「玲は、オレの一番信頼できる相棒であり、RISEの立派な総長であり…」


そこまで言うと、お兄ちゃんはやさしいまなざしをわたしに向けた。


「そして玲は、オレが唯一認めた…お前の恋人だった」


その言葉に、わたしの胸がドクンと鳴る。


…えっ。

お兄ちゃん、今なんて…?


「わ、わたしが…玲と?」

「ああ。お前たちは、付き合ってたんだ」


驚愕的な事実の数々に、今わたしがどういう感情なのかは自分でもわからない。


頭がパニックになっているからだろうか…。

なんだか、頭痛もしてきた。


「…えっと、なにから話していいのかわからないけど……」


わたしは気持ちを落ち着かせるために、ゆっくりと深呼吸をする。


「もし玲がRISEの総長で、わたしの彼氏だったとして…。そんな大事なこと、…わたしが忘れるはずないじゃん」
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