籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「そうそう。初日からバッタバタ」

「もうっ、お兄ちゃんは黙ってて…!」


わたしは頬を膨らませて、お兄ちゃんを睨みつける。

そんなわたしを見て、お兄ちゃんはクスッと笑う。


「…あっ。そういえばオレ、手続きのことで職員室に寄るように言われてるから、先に行くぞっ」

「うん、わかった!」

「あとでな、壮馬」

「おう!」


わたしたちは、走っていくお兄ちゃんの後ろ姿を見つめる。


「今の見たっ?お兄ちゃん、転けかけたよね?」

「ああ。なにかにつまずいたな」

「ちょっと焦ってたよね。あれでよくRISEの副総長なんて言えるよね」

「だな」


わたしと玲は笑い合う。


――『RISE』。

十座によって潰され、メンバーは散り散りになった。


だけど再び、玲、お兄ちゃん、わたしが揃うこととなり、新たに『RISE』を築き上げた。
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