籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
『立ち上がる』『昇る』という意味が込められたとおり、RISEは何度だって復活する。


そうして、またもとのRISEのメンバーも集めた。

その中には、もちろん雅人くんの姿も。


RISEは、こうしてまたひとつになろうとしていた。



「でも美鳥、俺たちもゆっくりはしてられねぇぞ」

「そうだった…!じゃあ、走っていく?」

「美鳥がいいなら」


玲がそう言ってくれたから、わたしがお兄ちゃんのあとを追って走ろうとしたとき――。

急に後ろから手首をつかまれた。


振り返ると、そこにはやさしい瞳でわたしを見つめる玲が。


そうして玲は、わたしに手を差し伸べた。

玲の大きな右の手のひら。


わたしは一瞬キョトンとしたけど、その意味がわかって頬がゆるむ。

その玲の手の上に自分の手を重ねると、玲がそっと握った。
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