籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「そう…なの?」


無視する雅人くんにかわって、申し訳なさそうにわたしに視線を移す雅人くんの彼女。


雅人くんと会うのは、RULERと取引を交わした金曜日の夕方以来だ。

土日を挟んで顔を合わせていなかったとはいえ、そう簡単にわだかまりが取れるわけではない。


他のRISEのメンバーもそう。

わたしの姿を見つけるなり、みんな見て見ぬふりをして足早に去っていく。


きっとみんな、わたしに対して罪悪感を覚えているんだ。


『心配しないで。実はわたし、RULERへ行こうと考えていたから』


今さら、そんなことを言ったってただの強がりにしか聞こえない。

それに、恩着せがましく思われることだろう。


そもそも、そんなわたしの話を聞いてくれる人なんて…もうだれもいない。



正面に学校の校門が見えた。
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