籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「…待って」


わたしは玲のほうを振り返る。


「やっぱり外さないで」

「…お前、なに言って――」

「わたしはここから逃げない。そう決めたから」


わたしの言葉に、玲は目を見開ける。


「逃げないって…。ここにいたら自由はないんだぞ…!?」

「…わかってる」

「わかってねぇよ…!十座は、人を人とは思っていない。だから――」

「だからだよ…!!」


わたしは玲の胸板に手をついて、思いきり突き飛ばした。


「わたしが逃げたら、…RISEは潰される。人を人とは思ってない十座なら、なにをしでかすかわからないっ…」

「今は自分の身の一番に考えろ…!RISEのことは俺がなんとかするから!」

「そんなこと…信じられるわけないじゃないっ!!」


思わず感情が高ぶり、熱いものがこみ上げてくる。
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