悠久の絃 2

「絃ちゃん、前向けるかな。」


ゆっくり、顔を上げると、麻河先生は普段はしない、真面目な、キリッとした顔をしていた。

「ここには、―消えろ―なんて言う人間は誰一人としていない。

それは、100%。安心して。


言いたくなければ言わなくてもいい。

初めて病院に運ばれた時、絃ちゃんは、全部を終わらせたかったの?」



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