悠久の絃 2


ご飯を食べたあとは一緒にお昼寝して、起きたら一緒に夕日を眺めた。


ベランダは、少しひんやりしていて、「ちょっと冷えるね」と悠先生がブランケットをかけてくれる。





ベランダからは悠先生の実家や病院が見える。近くの公園では小さい子がブランコをこいでいる。


太陽が街を橙に染め、暗くなり始めた時、悠先生が口を開いた。


「いと、今日はごめんね。本当は、お出かけしたかったよね。」


フルフル

「いいんです。だって、一緒に映画観れたし。」


「そっか、、


あのさ、」


「??なんですか?」


「この前、病院に行きたくない、先生たちにも会いたくないって言ってたじゃん?

僕はさ、お家にいる時は先生じゃないから。だから、相談、してくれていいんだよ。」


病院は行かなきゃダメだけど、と付け足して、悠先生はふっと笑った。


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