悠久の絃 2
整いだした呼吸と、いまだバクバクしている心臓を落ち着かせ、日向先生の目を見ながら深呼吸を繰り返す。


コンコンコン

佐々木「あら!凑と椎名先生!」


椎名「佐々木さん、こんにちは」

「このちゃん!」


佐々木「絃ちゃん!起きたのね!あら、ご飯食べられてないわね」

日向「あぁ、下げに来たんですか?」

佐々木「それもあるけど、起きてて一口も食べてなかったら電話してって、夜星先生から」


椎名「だってよ。食うか?」


私の顔を覗き込みながら聞かなくても、、、

フルフル

「食べない、、、でも、夜星先生、、、怒る?」


佐々木「怒りは、、しないと思うけど」

「じゃあ、食べない。お腹空かない」


このちゃんは「わかった」と言うと、何も手をつけられていないお盆を持って出て行った。


「息、しんどくないか?」


「もう、大丈夫です。椎名先生たちも、お仕事戻ってください」


「そうだね、少し長居しちゃったね。怖くなったり、胸がザワザワしたらすぐにナースコール押すんだよ?いいね?」


「はい」



日向先生と椎名先生が出て行って、部屋には私一人。

怖かった。だけど、今は悠以外に会いたくない。


何をするにも、昔のことを思い出しちゃいそうで、何もできない。


悠、早く来て。









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