悠久の絃 2
その先には検査室。


はじめから、これが狙いだったんだ。

「絃ちゃん、採血させてくれる?」


「嫌です」


「嫌か、、嫌だよね。でもやっちゃおう。俺の採血は痛くないからさ」



痛いとか、痛くないとかの問題じゃない。
結果が悪いのはもう知ってる。それに、もう、腕を見たくない。

一歩、夜星先生から後退りすると、手首を掴まれた。


「逃げないで。30秒。30秒椅子に座ってくれてれば終わらせるから」


首を振って、夜星先生の腕を振り払った。
驚きとほんの少しの悲しみを顔に出して、どうしたの?と聞いてくる。


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