悠久の絃 2
私は袖をまくり、腕を出した。
見せるのが恥ずかしい。それくらい、アザが青黒く広がっている。

夜星先生や悠は一発で成功してくれるけど、外来の看護師さんはほとんど毎回三回失敗して夜星先生に交代している。
何度も何度も失敗されてできたこのアザは、いつ間にか消えなくなっていた。学校で着替える時、気温が高くて暑い時も、アザを隠すために工夫や我慢をしてきた。これ以上、悪化させたくない。


「ごめん」




夜星先生の一言に、どんな意味が込められているのかは分からない。
ごめんの後は結局血を抜かれて、夜星先生と話したくなくて一人で病室に戻った。
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