悠久の絃 2
なんでよ。やだよ。苦しいのに、治してほしいのに、一緒にいてほしいのに、身体は逆のことをする。


ブチッ、と静かに音が鳴って、腕からは血が流れでる。カランッ、と病室に音が響いて、床に酸素マスクが落ちる。ピコピコ、と音が鳴って、モニターの数値が揺れ出す。


抑えようとする悠の横をスルリと抜けて、静かな廊下を走った。悠が名前を呼んでいる。止まってと叫んでいる。
だからなんだ。止まって引き戻されたところで、私には何が出来る。もう、嫌だ。

おばあちゃんに会いたいのに、怖い。
自由のきかない、この身体。うんざりする。

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