悠久の絃 2
「どうした?どこか痛い?」


そう声をかけても、泣き声が大きくなる一方だった。


「絃ちゃん、泣くと苦しくなっちゃうよ。おてて離して。」




結局泣き止まず、元々無い体力がさらに無くなり泣き疲れて眠ってしまった。


聴診をしてから涙を拭いてやり、医局に戻った。



「あ、お疲れ様です」


上宮「樹、お疲れ様」

悠「夜星先生、お疲れ様です。どうでした?」


「目は覚めたよ。だけど、泣いちゃってね。今はまた寝てる」


上宮「なんで泣いたんだ?泣かせたか?」


「俺が目覚めたばかりの子を無意味に叱るわけないでしょう。反応見るために手を握ってもらったらそのまま離してくれなくて。顔みたら泣いてました」



やはり早めに麻河先生に診察してもらうか。それとも悠先生に任せるか。

カルテを書きながら考えていると、後ろから覗いていた二人が医局を出ていった。病室にでも行くのだろう。








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