悠久の絃 2
〜進side〜

俺も、さすがに行かなきゃダメだと思ってた。

赤城先生から心配のメールが来たり、病院からも何回も電話が来たりした。


だけど、1度、サボったら、もう行くのが面倒くさくて、怒られるのが怖くて行けなかった。





「進?少しづつ動かすからな」



ここはリハビリテーション科。


中3の夏、乗っていたスクールバスが横転し、右腕を強打した。肩と手首を骨折して、好きだった部活が出来なくなった。
だけど、兄ちゃんや先生たちは頑張ろうって言ってくれて、馬鹿みたいに痛いリハビリに耐えてきた。
でも、高校に上がっても続くリハビリ、雑用やトレーニングばかりの部活。
嫌気がさして、昨年の12月、リハビリをサボった。

兄ちゃんや顧問にはリハビリに行ったと嘘をつき、部活もトレーニングから本格的な練習に参加し始めた。すごく楽しかった。
だけど、その代償は比にならないほど大きかった。


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