悠久の絃 2
鶴川先生がプローブをいとのお腹に滑らせた。


「おぉ、、、、、」

モニターですら、かなりの量が溜まっているのが見える。


しばらく子宮から膣を見て、数枚写真を撮ってからいとの体を起こした。


鶴川「絃ちゃん、今エコーを見たんだけどね、かなり溜まってるんだ。それに炎症も起きてる。だから、なるべく早く治療したいんだ。そのために、数値とってもいいかな?頑張れる?」


数値をとる、もういとは何をするのかわかってるんだろう。

静かに声を上げながら、涙を溢れさせた。

だけど、ここは医師として言うしかない。


「いと、違和感があったのを黙ってたのはしょうがないと思うよ。でもね、3ヶ月も生理が来てなかったことをどうして言ってくれなかったの?
放っておいても良くないことはいとならわかるよね。ほんとに、治らなくなっちゃうよ。」


なるべく言葉を選んだつもりだった。

いとを傷つけたくない。


あれ、、僕は今、どっちだ、、?







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