逃避行、じゃあね。
2.
「…一緒に、東京帰ろうか。」
私の両肩を優しく手のひらで包みながら、蓮が言った。
「うん、帰ろう。」
私がそう返事をすると、微笑んで手を差し出すから、私はその手を取って隣を歩き出した。
「なんか不思議な気分。蓮のことずっと前からの知り合いみたいに感じて。」
「なんだよ急に。笑 前世とか言い出しそうじゃん。」
「え、わたし結構前世信じてるよ。」
「そうなんだ、じゃあそういうことで良いんじゃない。」
「テキトーすぎ。笑」
私たちはまた、電車に乗った。