逃避行、じゃあね。


それから1週間、学校で志望校調査があった。私は少し躊躇したものの、明亮高校を第1志望に書いて提出した。


後日、その調査書をもとに三者面談が開かれた。まさか私が明亮高校に行こうとしてるなんて思ってもないお母さんは、驚いていた。というより、困惑していた。


「本当に、ここに行きたいの?今までそんなこと言ったことなかったのに…。」


「本気だよ。絶対受かりたい。お母さんだってここに私が行けたら嬉しいでしょ?」


「そうだけど…。」


これまでお母さんにやりたいことを反対されたことはなかったし、快く受け入れてくれてたから、思ってた反応と違くて私もどうして良いかわからなくなってしまった。


一方で、先生は何かあったらいつでも頼ってくれと応援してくれた。ありがとうございますとだけ答えて、私たちは面談を終えた。


「…なんで急に明亮を目指そうと思ったの?」


「まだその話?いいじゃん、やってみるくらい。目標は高くないと。」


「そうだね。」


お母さんは私の意思が固いのに諦めたのか、それ以上は何も言わなかった。
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