逃避行、じゃあね。

「蓮はもともとどこに行くつもりだったの?」


話し込んでいるなかで、聞きそびれていたことを聞いてみた。


「俺はもともと終点までだよ、信じてくれないかもだけど。実家がそっちにあるから。」


「実家?てことは一人暮らししてるの?」


「まあね、東京の高校が良かったから。」


「そうなんだ、えらいね。」


「瑠菜も東京?どこ通ってる?」

 
「私も東京。青星中学だよ。」


「あー西の方か。」


「うん。」


学校抜け出して実家に帰るって、緊急の用事なのかな。でも急いでる感じしないし。理由、聞いてみても大丈夫だよね。


「蓮はなんで実家の方行こうと思ってるの?急いでる感じしないから、何か緊急なわけではないのかなって。」


「鋭いな。まぁ俺も瑠菜と似たようなもんだよ、疲れたから現実逃避したいだけ。」


「そっか、一人暮らしだと余計に大変だもんね。」


「そうそう。」


意外とみんな、悩んでるもんなんだなぁ。
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