冷酷総長は、今日も変わらず彼女を溺愛する。【After Story】
「……っ、!?」
急に横から声をかけられて、ビクッ…!と大げさに肩が揺れた。
わたしの肩に手を回した彼は、確か……
「大輝、くん……?」
「え! そうそう。てか俺の名前覚えてくれてたんだねー、嬉しい」
「な、名前を覚えるのだけは得意なので、……」
そう言いながらやんわりと肩に回されていた大輝くんの腕を除ける。
やばいよ、本気で帰りたくなってきた……っ。
「てかさー、彩夏ちゃんって彼氏とかいるの? …ってあはは、いたらこんなとこ来るわけないか〜」
「……」
……え、?
合コンって、彼氏がいる子は来ないものなの……?
今まで友達もいなかったわたしは、高校生が普通にするような経験を何も知らない。
知識も浅はかで、何がダメで何が良いのかの区別もあんまりつかない。
「ご、合コンって……パーティーとか、そういうんじゃないの……?」
「え?」
わたしの問いかけに、表情を固まらせた大輝くん。
声が震えてしまう。