冷酷総長は、今日も変わらず彼女を溺愛する。【After Story】


あやちゃんの横顔をこっそりと盗み見る。


おれの初めては、全部あやちゃんだけ。

あやちゃんが人の温かさを教えてくれて、あやちゃんが花火の美しさを教えてくれた。


そして、夏祭りがこんなにも楽しいということと、打ち上げ花火を見せてくれたのもあやちゃんだ。


あやちゃんがいなかったら、おれの人生は今も灰色に汚れたクソみたいなものだったろう。


「あやちゃん、本当にありがとね」


心の底からあやちゃんに感謝を伝えたくなる。

ありがとうよりもっと上の言葉があればいいのに。


「へ? 何が?」


あやちゃんは何も分かってなさそうな顔で俺を見ている。

それだけでおれは十分幸せだった。


河川敷に腰を下ろし、あやちゃんと手を繋いで空を見上げる。

キラキラ、パチパチと儚げに空に浮かんでは消えていく花火をまた来年もあやちゃんと見れたらいいなと思った。

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