冷酷総長は、今日も変わらず彼女を溺愛する。【After Story】
“……これからおれと、外に出るよ”
幼い頃のわたしと出会うまで、1度も日の光を見たことがなかったと言った幼さの残る麗仁くん。
それを聞いた時に抱いた感情を、今ようやく思い出せた。
「“わたしがりとくんの世界を明るく照らせますように”」
目を瞑って、囁くような穏やかな声でそう言ったわたしを、麗仁くんが驚いた表情で見つめていることにも気づかないで。
麗仁くんの側で、だんだんと思い出していく昔のこと。
たとえそこにいる麗仁くんがどれだけ冷酷でも、酷くても。どんな麗仁くんでも大好きだって、胸を張って言えるの。