50円玉に、願いを込めて。
.....................分かってる。
善利くんは、
私を小さい子供だと思ってることくらい。
〝女の子〟としてなんて。
──────全く見られていないこと。
全部分かってるから、その代わりに............
「............ねぇ、善利くん、」
「ん?どした、澄乃」
善利くんは、お願い.........聞いてくれるかな?
「大学生になっても、
冬休みはこれからも、2人で過ごしたいっ、」
「ん。当たり前............だろ、」
ねぇ、善利くん、
〝善利くんの彼女になりたい〟なんて。
そんな大きなことは望まないから。
2人で過ごす時間がなくならないで欲しいって。
これが、今の私の、
──────私の1番の願い。