50円玉に、願いを込めて。
「...............誰が〝嫌〟だって?」
離れようとした、私の腕を掴んで、
いつもより低い声で言う、善利くん。
.....................えっと、この状況っ。
ぅう、やばい、勘違いしそうっ。
(勘違いなんかしちゃだめ............っ!)
そう思って........................
「善利くん、嫌そうだからっ、」
眉を下げて、そう口にすると。
「〝嫌〟とかひと言も言ってねーしさ、
澄乃。今回さ、初詣は2人で.........行こうか」
「...............ぅ、うそ、」
善利くんから返ってきた言葉に。
──────驚きを隠せなかった。