50円玉に、願いを込めて。
「うん。すっごいバレバレ。手袋ないし、
いまの澄乃、〝めちゃくちゃ寒い〟でしょ」
はい。一発。
善利くんに、手袋がないことも含めて、
ぜんぶ、一発で見抜かれてしまった。
だからやっぱり、善利くんは凄すぎて............
「ぅ、うへへっ!」
誤魔化すように、わざと笑顔を作ると。
「...............、その笑顔、気持ち悪いわ」
作り笑いすらバレてしまう始末。
(もう、無理です。善利くん)
そう思って..............................
「だってぇ、寒いんだもん!!」
もう隠せなくて、正直に言葉を発した。
すると善利くんは。
「ん。やっと素直に言ったな」
そう言って微笑んで、
軽く、ポンッと頭に手を乗せた。