50円玉に、願いを込めて。


そして..............................



「ん、澄乃」



今まで聞いたどんな声よりも甘い声。



その声と共に差し出されたのは。



──────善利くんの手。



「ぅ、えと............善利、くん?」



〝もしかして?〟っていう期待もあるけど。



間違ってても嫌で、善利くんを見つめれば。



「...............っ、手、繋がね?って、こと」



そう言って、照れた様子の善利くんの顔。



〝手を繋ぐ〟なんて何年振りか分からない。



だから、私もすっごく照れるけど...............



「〜〜っ、つ、繋ぐっ‼︎」



素直にそう声を出すと、
──────ギュッと優しく繋がれた手。



その繋がれた手は、
今までで、〝1番優しい温もり〟だと思った。


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