50円玉に、願いを込めて。
「ふっ、分かんねーって顔」
笑ってそう言うと、
繋いでいない方の手で。
──────パチンッと、おでこを弾かれた。
そして、そのまま...........................
──────ちゅっと。
音を立てて、おでこに触れた温もり。
「〜〜っ、な、んで............っ!」
驚きと照れ、
それが混ざり合って呂律が回らない。
そんな私に...........................
「俺が、〝50円玉1枚〟に願うことは1つ。
俺はガキのころから、澄乃が好きだから。
ずっと、澄乃と両想いになりたいって、
毎年、50円玉に、そう願ってんだよ」
............告白、とも取れる言葉を言う善利くん。