50円玉に、願いを込めて。


まどかちゃんに言われたのは、
流石にショックだったのか..................



「...............ごめんなさい、」



肩を落として謝る寺田くん。



そして...........................



「...............もう危なくないだろ、澄乃」



前を歩く寺田くんとまどかちゃん。



風が吹くくらいのフランクに、
2人には聞こえないぐらいの小声で。



私の耳元に声を落とした善利くん。



ぅ、な、なんかさ、嬉しいよ...............



「.........っ、気づいてたんだ、」

「ん。当たり前だろ。澄乃のこと全部わかる」

「っ、そ、そっか」



〝全部わかる〟なんて。



そんな、好きな子に、
言うみたいな言葉を善利くんは時々言う。


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