50円玉に、願いを込めて。
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まどかちゃんと、
寺田くんと分かれてからの帰り道。
「..................っ、ぅ、」
善利くんの、
後ろを歩きながら、今だに泣き止めない私。
いま歩いてる道も、
歩けるのが残り少なくなってきているとか。
そういうことまで考えてしまって。
切なく、悲しくなってしまって、
考え出したら止まらないという感じ。
隣を歩く、善利くんに、
迷惑かけてるのは分かってるけど。
どうしても、涙が止まらないよ.........っ。
一生懸命、涙を止めようとしていると。
「...............澄乃、いい加減泣き止めば」
善利くんが、
落ち着いたトーンでそう言ってきた。