3000円で買って下さい‼︎
──────パタンッと。
ドアが閉まったのと同時。
「小原って、酒飲むとカリカリすんの。
それに、京介のこともあるし。妹ちゃんは、
ほとぼり冷めた頃に、家に帰んなよ」
そう言って、腕を離して、
軽く、頭をポンッとすると。
そのまま、部屋を出ようとした男の子。
だけどなんだか、怖くて。
「...............っ、むり、ですっ、
今日は、一緒に、いてください、」
ギュッと袖を掴むと、そう言葉にした。
すると、気づけば身体は宙に浮いていて。
いつのまにか、
降ろされた場所はふかふかのベッド。
「............ん。わかった。いるから、寝な」
その、温かくて、
優しい囁きに、私はいつの間にか眠っていた。
その夜、私は夢を見た。
〝3万円で、ヒーローに助けて貰う〟
──────そんな夢を。