3000円で買って下さい‼︎
ギュッと、遠慮がちに、
三栗柚月さんの上着の裾を掴むと。
「.........っ、どうすれば、近づけますか?」
自分でも無意識に、
三栗柚月さんを見上げて、そう尋ねた。
すると.........、三栗柚月さんは顔を隠して。
「.........っ、やっぱいいよ。色気付けなくて」
そう言うと.................................
「今日のことも、昨日のことも、
小原には黙っておくから、帰るよ」
私に、
足りないものは、〝色気〟だと思ってたのに。
三栗柚月さんと、出会って3日目。
──────私と、手を繋いでくれた。