3000円で買って下さい‼︎
「んー、あー、
慣れてるように見えたなら、ごめん。
でも俺、全然慣れてないよ。こーいうの」
一瞬、少し表情を曇らせたように見えた。
だけど、それはあまりにも一瞬で。
すぐに、頬を赤らめると。
「でも、いつかちゃんと話すよ。
未愛ちゃんには、全部知ってて欲しいから」
三栗柚月さんは、そう言ってくれて。
「ぜんぶ、」
「うん。包み隠さず全部」
〝何か〟っていうのは分からなかったし。
聞くことをためらって、聞けなかったけど。
その代わりに、ギュッと握られた手。
出会って4日目にして、
昨日ぶりで、2回目の手を繋ぐという行為。
なんだかそれだけで、ほんの少し、
三栗柚月さんに近づけた気がして。
──────幸せだった。
でも、その〝幸せ〟も、
三栗柚月さんの〝秘密〟も。
思わぬ形で、
この後、知ることになるなんて。
私は思わなかった........................