3000円で買って下さい‼︎
「..................っ、ごっ、ごめんなさい!」
自分でも、
〝何に〟対して謝ったのか分からなかった。
でも、たぶん、
今まで、起きたこと全部だと思う。
だから、それと同時に、
繋いでいたハズの手を思いっきり離して。
そのまま、逃げるように走った。
どこまでも、どもまでも走った...............
やっと、分かった気がする。
お姉ちゃんが、
『でもさ、三栗だけはやめときな』って。
──────2度も言った意味が。
私たちとは、住む世界が違うから。
だから、そう言ったんだって分かった。
『3000円で買って下さい‼︎』
なんて、三栗柚月さんからしたら、
ふざけた告白だと思われたと思う。
だけど、きっと、
クリスマスパーティーの日から。
優しい彼、三栗柚月さんのことが好きで。
でも、本当は、勢い余って、
〝何か〟を伝えていいほどの人じゃない。
本当は、
──────凄く遠い人だったんだ。