3000円で買って下さい‼︎
「んー、まぁ。一応ね。でも、父さんってさ、
俺の好きな人とか、結婚に関して自由にしていいって言われてるし、未愛は気にしなくていいよ」
私の不安に思ってることまで、
聞く前に、ちゃんと言ってくれたゆずは。
「あー、もう!!
どうしたら、未愛の不安取り除けんの」
そう言って、
ギュッと抱きしめる力を強めると。
私の耳元で、ほんの少し笑ってから。
「俺のこと、3000円で買う?」
冗談混じりにそう口にした、ゆず。
でも、それを冗談にしたくなくって。
「.........っ、私がゆずを3000円で買うから、
ゆずも、私を3000円で買ってくれる..................?」
交換条件のように口にすると。
「ん。当たり前」
ゆずはそう呟くと、
〝3000円〟の代わりに、
私の頬に「ちゅっ」と、温もりを落とした。
のちに、
────── 3000円から始まった恋。
そう伝説になるのは、遠くない未来の話し💰
fin.