背伸びして、君とありったけのキスがしたい。
03:その名は、振り向かせ作戦A!
***
「えーーーー!?!?そそそ、そんな展開になってたの!?」
「き、綺良ちゃん声が大きいよ!」
お昼休み。
いつものように、綺良ちゃんと2人で中庭の古びたベンチに座りながらお弁当を広げて、私は昨日の出来事を話した。
綾人さんが放課後、学校まで来てくれて助けてくれたこと、そのあとパリメルへ連れて行ってくれたこと。
それからもちろん、思い切って彼に告白してしまったことも。
綺良ちゃんは私の話を聞きながら、甲高い声で何度も「えー!」と「何それー!」を繰り返した。
「里緒ってば以外にも大胆な子だったんだね!絶対に自分から告白とかしない子だと思ってた……!」
「それ、綾人さんにも同じこと言われたよ」
私だって、自分からあんなふうに告白したことなんて今まで一度もない。
多分、綾人さんじゃなかったらできなかった。