隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
第一章『隣の席の●し屋くん』
恋に落ちて
彼と目が合った瞬間、世界が変わった。
世界が変わったなんて言うと、ある人は大袈裟だって笑うかもしれない。
だけど決して大袈裟ではなく、本当に私の世界は変わってしまった。
目に見えるもの全てが色鮮やかになって、それまで聞こえていたはずの色んな雑音が遠くなって、肌に感じる空気や鼻を掠める匂い、手の感触にいたるまで……
わたしを取り巻く世界の全てが、一瞬にしてキラキラと輝き出したのだ。
トンサニス王国の第二王女、エミリア・ド・ステヴナン、十五歳。
まだ子供でいたかったわたしには、そのとき何が起こったのか分からなかった。
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