隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 優成がおもむろに手を持ち上げた。

 そしてその手のひらを、わたしの頭の上に置く。


「っ、?」


 そして優しく上から下へと、撫でる。

 なで、なで、なでなでする。

 送られてくる視線はどこか甘い。
 

 …………えっ、彼氏かな?

 
 頭の上にいる優成の手を意識して、体中が心臓になったみたいにドキドキする。

 あれ? もしかしてわたしたち付き合ってた?


「……可愛い」

「……えっ」


 これ以上ないほど顔を熱くして固まるわたしに、優成がふ、と微笑んだ。



「雨の日のレナみたい」


 
 なんて?

 
 
< 103 / 251 >

この作品をシェア

pagetop