隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
「な、なんて醜い顔なんだ……」

「いや、さすがにそこまでは言ってない」


 なんかやつれてるし血行悪いし、目の下の隈とかひどい。


「鬼婆じゃん……」

「ごめんて」


 わたしはガクッとうなだれた。

 周りのクラスメイト達は、酒々井あそこまでされて落ちないとか無理だろ、とか、もう付き合っちゃいそうだよね、とか、ひそひそと話している。

 ……優成はかっこいいからモテるし、彼女なんてすぐできちゃうかも、とは思っていた。

 でも、女の子と話すことはあってもいつも一定の距離を保っていて、なんとなくわたしが一番近い存在のような気がしていたから、彼女に一番近いのもわたしなんじゃないか、なんて、我ながらおこがましいことを考えていた。

 そこへまさか、あのまりか先輩が参戦してくるなんて思わなかった。

 ……だめだ。 勝てる気がしない。

 いや、もしかしたらわたしは戦場に立つことすらできていなかったのかも。

 せいぜいわたしはレナさんと同列。 優成からすれば前世で殺した女の子とどうにかなろうなんて考えにもならないかもしれない。

 次第にドロドロとした黒い感情がわたしの胸を覆い尽くしていく。
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