隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
耳鳴り
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「越谷、髪ぼっさぼさだけど」
「え?」
サッカー部の休憩時間は大忙しだ。 タオルとアイスノンとドリンクと、ケガする選手は日常茶飯事だから救急箱も持ち歩く。
上級生にドリンクを渡し終えたわたしは一年生たちに手際よくドリンクを渡しているところで。
「ほんとだ」「俺らよりヤバいんじゃね」
初めはよそよそしかった一年生のみんなともこんな軽口を叩けるくらいに仲良くなれたんだって感慨深くなりつつ、風を切って汗をかいてるみんなよりヤバいわたしの頭、どうなっちゃってるんだろうとちょっと心配になる。 でもそんなこと気にしてる時間なんかない。
「あはは、もう直す間もないよねー気にしないで~」
「しょうがねぇな、なおしてやるよ」
一人が立ち上がって、わたしの元に来る。
「ほんと? ありがとう~!」
そしてわたしの髪に触れようと手を伸ばした瞬間、その手がパシッと振り払われた。
見ると、朔耶。