隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。

「そんなことより、Xデーまでもう間もなくだというのに……また余計なことをしましたね?」

「……ん?」


 白井たちのことだとすぐにわかったけれど、ひとまずしらばっくれる。


「はぁ、あなたは本当になってない」


 そのとき。


「!」


 ストンッ。

 おじさんが後ろ手に投げた包丁が、俺が1秒前に頭を置いていたところを抜けて壁に突き刺さった。
 つまり1秒起き上がるのが遅れていたら、俺の頭にこの包丁がグサリといってたというわけだ。


「あっぶないなー」

「反応が遅すぎて寝ているのかと思いましたよ」


 おじさんは背中を向けたまま、何事もなかったように卵を溶いている。

 相変わらず殺気が読めない。

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