隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
 そのおかげか最近は部活中でも笑顔が増えて、その笑顔がめちゃくちゃかわいくて。
 ずっと見ていたいって思うようになった。 ずっと笑っていて欲しいって思うようになった。

 これが恋だって気付くのに、そう時間はかからなかった。

 ……その越谷が、俺には見せない顔を見せる男がいる。

 酒々井優成。
 越谷の隣の席の、帰宅部の男。


『うっかり誰かに殺されちゃうかもよ』


 あの時の目、普通じゃなかった。
 目を合わせただけで異常に恐怖を感じて、全身から冷や汗が吹き出した。 そんなの、生まれて初めてだった。
 あいつ、何者なんだ。 なにを考えてるんだ。



 そんな酒々井優成を再び目にしたのは、翌日の昼休みのことだった。


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