隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
公平を期して酒々井も靴を脱いで裸足になる。
「おいおい、全員船橋くんに賭けたら賭けになんねぇだろ!」
「ギャハハ」
「よし!俺は優成に全賭けだ!一人勝ちしてやる!!」
どっちが勝つかで食堂のプリンを賭け始める男子たちをよそに、貸してもらったバンダナを目にあてがった。
視界は真っ暗、なにも見えなくなる。
「まさか誰かを取り合って勝負しようとか、ベタなこと言わないよねー?」
酒々井の呑気な声が前方から放られて、イラッとして鼻の横が引き攣る。
「お前、何考えてんの? うちのマネージャーになにしたんだよ」
「あはは。 なんも考えてないし、なんもしてないよ。 そういう船橋くんは好きな子束縛したいタイプー?」
わざとだ。 わざと煽りにきてる。
「お前、ほんとムカつく」
「はは、こわ」
……怖いのはどっちだよ。